スノーボードホットワックスのかけ方|初心者でも本格ワクシング!

この記事は約21分で読めます。
ヒロしば
ヒロしば

緩斜面を滑ってる時に止まってしまう!

そんな経験をしてる人はいませんか?

チビしば
チビしば

ある!

私は、止まっちゃうんだけど、その横をスイスイ滑って行く人がたまにいるんだよね~・・・

ヒロしば
ヒロしば

実はそれって技術の差(重心のかけ方等)も多少はあるかもしれないけど、一番大きな差はワックスのかけ方にあるんですよね。

あなたはホットワックスって知ってますか?

大抵の人はワックスがけと聞くと、スプレー状のタイプや泡のような物が出る簡易ワックスをイメージするのでは無いでしょうか?

実は緩斜面でもスイスイ滑り降りていく人のほとんどは、ホットワックスを使用して正しいメンテナンス方法を実践してるので板の滑りが全然違うんです。

今回はワックスの仕組みと効果を解説した後に、滑走力に圧倒的な差が出る正しいホットワックスのかけ方について詳しく説明します。

この記事を読んで実践すれば、緩斜面でバタバタしているあなたを横目に、スイス~イと滑り降りて行ってた方達と同じように滑れるようになります。

ヒロしば
ヒロしば

止まってしまってバタバタもがいて進むのって体力使いますよね(笑)

この記事を読んで、あなたもスイス~イな滑りを手に入れてみませんか?

前半はワックスの効果と特徴についての解説です。
ワックスに関する知識を増やしたい方は是非読んで下さい。

ホットワクシングの方法だけ読みたい方は、目次より2項を選択し進んで下さい。

ワックスの効果と簡易ワックスとホットワックスの違い

 

ヒロしば
ヒロしば

スノーボードのワックスがけと聞いて、あなたはどんな効果があると思いますか?

チビしば
チビしば

う~ん・・

ツルツル滑るからスピードが出る!!

スノーボードが滑る理由は、板と雪面が擦れる摩擦熱によって、表面の雪が溶けて板と雪面の間に入った水分が、摩擦抵抗を減らす事で滑っています。

ホットワックスの効果と特徴

気温が低い時は、雪面と板の間に摩擦熱があまり発生しない事で、水になりきらず雪が板にペタっとくっ付いてしまい滑りません。

ワックスをかける事で、雪の張り付きを抑え滑走性能を高める事が出来ます。

そして気温が高い時は、摩擦熱が高くなり滑走面との間の水分過多になって減速要因になるのが1つと、雪が溶ける事で土と水分が混ざり滑走面が泥で汚れる事で抵抗が生まれます。

この場合もワックスをかける事で、滑走面の防水性と防汚性を向上させ、水はけを良くし摩擦抵抗を軽減する効果を発揮します。

つまりワックスとは、滑走面を保護し防水性能を向上させる事で、雪面との摩擦抵抗を軽減する事を目的に使用します。
摩擦抵抗が減る事で、速度が上がるのは勿論ですが、不要な抵抗が低くなる事で操作性の向上も期待出来ます。

簡易ワックスの特徴

簡易ワックス出典:Yahoo!ショッピング

スプレーワックスと言われる簡易ワックスは、滑走面にスプレーを吹きかけて延ばすだけでワックス効果が得られるお手軽な物の事です。

ワックスと聞いてイメージするのはこんな商品では無いでしょうか。

~メリット~

・誰でも簡単に施工出来る。
・数分で完了。
・価格がリーズナブル。
~デメリット~
・すぐ効果が無くなる。
・滑走面の保護性能が低い。
簡易ワックスは、誰でも簡単に施工出来て、価格も安価なので初心者の方は、まずこのワックスを使用しているのでは無いでしょうか。
ですが簡易ワックスは、滑走面にスプレーしているだけなので、すぐに剥がれ落ちてしまいます。
ヒロしば
ヒロしば

実はリフトに乗って1本滑る間に、ほとんどのワックスが剥がれるって言われてます。

さすがにリフト乗るたびにワックスをかけるなんて、やってられないですよね。

チビしば
チビしば

え・・・

1日じゃなくて1本なんだぁ

ホットワックスの特徴

ホットワックスセット出典:Yahoo!ショッピング

これがホットワックスに必要な道具。

ホットワックスは固形状のワックスをアイロンの熱で溶かし、滑走面の内部(ストラクチャー内にまでワックスを浸透させます。

今回ご紹介するのは、このホットワックスの施工方法です。

一見難しそうですが、やり方さえ覚えれば意外と簡単に施工する事が出来るので是非覚えて帰って下さいね。

~メリット~

・滑走面のクリーニングにも使える。
・オフシーズンの保管時に滑走面を保護出来る。
・一度施工すると半日~1日の滑走には十分な効果がある。
・繰り返し施工する事で効果が上がる。
~デメリット~
・道具を揃えるのにお金がかかる。
・慣れないと時間がかかり施工が大変。
・ワックスの削りカスで家が汚れる。
ホットワックスの持続率は簡易ワックスに比べて圧倒的
滑走面は平らに見えますが、チーズの様な目に見えない溝が沢山あります。
アイロンの熱でホットワックスを浸透させる事で、その溝の内部にまでワックスが浸透し、滑走中内部から次々と染み出てくるので、より長く効果が継続します。
ホットワックスの効果と浸透性
効果は抜群ですが、必要な道具を揃えるのに1万円前後かかってしまうのがネックですね。
一度揃えてしまえば、消耗品(ワックスやワクシングペーパー等)の追加購入だけなので、そこまでお金はかからないです。
最初にちょっと奮発してワクシングセットを購入してしまえば、最高な滑りを継続出来ますよ。

スノーボードホットワックスのかけ方|本格的なワクシング方法

スクレーパーでホットワックスを削る

最低限必要な道具とは

ホットワックス|ワクシングに必要な道具一覧

僕がホットワックスを施工するのに最低限必要と考える道具一式です。

①ファイバーテックス粗目
②ファイバーテックス細目
③ブロンズブラシ
④馬毛ブラシ
⑤コルク
⑥スクレーパー
⑦固形ワックス各種
⑧ワクシングペーパー
⑨ワックス用アイロン
ワクシングペーパーは必須では無いのですが、あると非常に便利なので出来れば用意した方が良いです。
その他にあった方が良い物
・ナイロンブラシ
【あった方が絶対良いんですが、僕のナイロンブラシが迷子なので今は使って無いです(笑)
無くても問題なくワックスがけは出来ますよ!】

・キッチンペーパー
【ワックスカスを拭き取ったりするのに使います。
100均とかで売ってるので用意しておきましょう!】

・ブルーシート
【室内で作業する時は床が汚れてしまうので、何か敷物を用意しておいた方が良いですね】

・作業台
【作業する際にスノーボードの板を載せる台があるとやり易いです。
専用のワックススタンドもありますが高価な物なので、代用品で良いかと思います。
僕は100均の踏み台に滑り止めを巻いて使ってます(笑)】
ホットワックス|ワクシング作業台
以上がホットワックスに必要な道具で、メーカーは色々な所から出しています。
  • ガリウム
  • ハヤシワックス
  • TOKO
  • SWIX
  • ホルメンコール etc…

有名所はこの辺のメーカーで、一般ユーザーにはガリウムとTOKOが人気です。

ヒロしば
ヒロしば

今回は僕が使用しているガリウムのセットで、解説しますが基本的にはどのメーカーを使っても作業方法は変わらないです。

ガリウムから必要な道具が一式入ったトライアルセットが販売されてるので、こちらも検討してみてください。

下記の商品には、今回説明した必要な道具が全てセットになって販売されているので、一から揃えたい方には間違いなくオススメな商品です。
ホットワックスのやり方説明書も同封されてるので、今回の記事と合わせて読むと初めての方でもバッチリ施工出来ますよ!
固形ワックスは温度帯別に少量ずつですが入ってます。(1シーズンは追加で購入しなくても十分足りる量でした)
更にエッジの錆び取り用のラストリムーバーやソールの汚れ落としに使えるクリーナーもセットになってますので是非チェックしてみてください。

ホットワクシングの作業手順

 

ヒロしば
ヒロしば

流れとしては、汚れてケバ立った滑走面をクリーニングしてからワックスを施工して行きますよ。

【作業1】滑走面のクリーニング

スノーボードホットワックス前の下地処理

ブラシは滑走方向に向かって、強くブラッシングします。
粉状になって汚れが浮き出て来るので板全体にブラシをかけたらキッチンペーパーなどで拭き取りましょう。
スノーボードホットワックス前の下地処理
ブロンズブラシと同じ要領で強く擦り付けて下さい。
先程よりも更に細かいカスが出てきますので全体にかけたら拭き取ります。
汚れ取りと同時に表面の細かいケバも削り取っています。
スノーボードホットワックス用アイロンの準備
クリーニングに使用するワックスは記載されている温度帯の高い物を選んで下さい。
ガリウムで言えば(0°~+10°用の)ピンクですが、ガリウムにはクリーニング用のワックス(白)があるので僕はこちらを使用しています。

理由:通常のベースワックスよりも安いので経済的。
ワックスをアイロンにあてた時に、白い煙が沢山出る状態だとアイロンの温度が高すぎるので少し温度を下げましょう。
板にワックスを垂らす時は、アイロンを斜めにして溶けたワックスが、アイロンの角から垂れる様にするのがコツです。(画像一枚目参照)
スノーボードホットワックスをかける
垂らしてダマになっている板上のワックスをアイロンで延ばしていきます。
この段階では大雑把でOKです。
アイロンをあてた状態で板上で止めてしまうと、滑走面のソールが熱で溶けてしまうのでアイロンは常に動かしましょう。

滑走面が溶けてしまう事をソール焼けと言い、この状態になってしまうと自力での修復は困難で滑走性能も著しく低下するので要注意です!
スノーボードホットワックスをかける
アイロンを動かす時は、それぞれの手を矢印の方向に力を加えるのがポイント!
右手は板に圧をかけるため下に力を入れて、左手でワクシングペーパーを掴みゆっくりと移動させます。

【ゆっくりと】ですが動きを止めてはダメですよ。
途中でワックスが足りなくなって来たな~と感じたら追加でワックスを垂らして全体に塗り広げて下さい。
【圧をかけながらゆっくりと!】大事なので2回言いましたよ(笑)
スノーボードホットワックスをスクレーパーで削る
スクレーパーの角度は大体45°くらいがベストです!
撮影の為に片手で削ってますが、本来は両手を添えて均等に力を加えながら削って下さい。
冷える前に削る事でワックスがストラクチャー内の汚れを吸着しワックスと一緒に剥がれていきます。
ヒロしば
ヒロしば

ここまで完了したらもう一度、ブロンズブラシとファイバーテックス粗目をかけてキッチンペーパーで拭き取ったら下地作りのクリーニングは完了です。

スノーボードホットワックスの下地処理完了
チビしば
チビしば

ひゃ~

結構大変だったねぇ~

ヒロしば
ヒロしば

ホットワックスで一番大事なのはこの【クリーニング】の工程です。

ここまで完了しただけでも、簡易ワックスを使うより滑るようになりますからね。

滑らない一番の原因は板に吸着して、しみ込んだ汚れだって事を覚えておきましょう。

【作業2】ホットワックスの施工

ホットワックスの種類

ワックスを施工する前に覚えてほしい事が3つあります。

・ワックスに書いてる温度の意味
・ワックスの施工は出来れば工程を2回繰り返して欲しい
・ワックスは温度帯の高い物から順番に施工していく
まずワックスに書いてる温度ですが、数字が2種類書いてますがこの意味は分かりますか?
チビしば
チビしば

う~ん。

何℃~何℃までの間の気温に適してる??

半分正解で半分間違いです。

この数字はどれくらいの温度の日に適しているかと言う表示で間違いないですが、読み方が違うんですね。
左に書かれてる温度は【雪の温度】、右に書かれている温度は【外気温】なんです。
つまり真ん中のバイオレットだと、雪の温度が-4℃、外気温が3℃前後の日に適していると言う事です。
次にこれから説明する工程を余裕があれば、2回繰り返して欲しいと書きましたが何故か?
先程説明したようにワックスは滑走面の内部に浸透させる事が本来の目的ですが、一度施工しただけでは内部までしっかり浸透しないので、2回は繰り返した方が効果的なんです。
ワックスは温度帯の高い物の方が柔らかく、板の内部にまで浸透し易い特徴があるので、一回目は温度帯の高い柔らかいワックスを使い、しっかりと浸透させます。
そして2回目に滑走する日のコンディションに合わせたワックスで上からコーティングするようなイメージだと思って下さい。
ヒロしば
ヒロしば

それではワックスをかけていきましょう!

と言っても作業内容は先ほどのクリーニングとほとんど変わりません。
スノーボードホットワックスのかけ方
先程のクリーニングと違う点は、ワックスをかけてからスクレーパーで削るまでに、少し時間を空けてワックスを浸透させる事が必要です。
時間は15分~30分の間くらいで十分ですので、時間を空けてからスクレーピング!を忘れないで下さい。
チビしば
チビしば

たらす! のばす! かける! 15分! けずる!

ヒロしば
ヒロしば

そうです!

これを温度帯別に2回繰り返したら次の工程に進みましょう。

スノーボードホットワックスの仕上げ処理

馬毛ブラシはクリーニングの際の、ブロンズブラシと同じ要領でOKですが、そこまで力を入れる必要は無いです。
仕上げのファイバーテックス細目をかけるとビッカビカに仕上がります!
最高に気持ちいい瞬間を満喫して下さい(笑)

まとめ

以上でホットワックスの基本的なかけ方の説明は終わりです。

ヒロしば
ヒロしば

これであなたも、上級者に負けないスイスイな滑りが、出来るようになります。

本格的なホットワックスで友達に差を付けちゃいましょう!

何か分かり辛い所があれば、ガンガン質問頂ければと思いますので宜しくお願いします。

今後、更に応用編として、春雪対策のワックスや、シーズンオフのワックス方法などの記事も追加して行く予定なので楽しみにお待ちください。

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